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低燃費タイヤ(エコタイヤ)とは… 初心者にもわかりやすく解説!

タイヤ

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

車の燃費を良くしたいと思う人は多いと思います。

車を使う人にとって、燃料費は大きな出費の1つです。できれば減らしたい思うことでしょう。

その為に、ハイブリッド車や電気自動車の購入を検討したり、少しでも燃費が良くなるように運転に注意している人やいます。

燃費を良くするタイヤ「低燃費タイヤ(エコタイヤ)」はご存じでしょうか?

「低燃費タイヤ(エコタイヤ)」とは、燃費向上が期待されるタイヤとして、各タイヤメーカーが様々な商品を販売しています。

そこでこの記事では、以前から注目されている「低燃費タイヤ(エコタイヤ)」について紹介します。

「聞いたことがあっても、よくわからない」人や、「ただ燃費が上がるだけでしょ?」と思っている人にも知ってもらいたいことなので、是非最後までご覧ください。

低燃費タイヤ(エコタイヤ)とは…

低燃費タイヤマーク
低燃費タイヤ統一マーク

低燃費タイヤとは、燃費向上が期待されるタイヤで、「低燃費性」だけでなく、ある一定の「安全性」もクリアしたタイヤのことを言います。

JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が定めたグレーディングシステム(等級制度)で、低燃費性(転がり抵抗性能)安全性(ウエットグリップ性能)がそれぞれの一定以上の基準値を満たしていることで「低燃費タイヤ」として販売することができます。

低燃費タイヤラベリング
低燃費タイヤのラベル表示

(一社)日本自動車タイヤ協会ラベリング制度

グレーディングシステム(等級制度)

「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」を以下のように等級分けし、基準値を満たしているタイヤが「低燃費タイヤ」です。

  • 転がり抵抗係数・・・・ 5等級(AAA・AA・A・B・C)
  • ウェットグリップ性能・・・・ 4等級(a・b・c・d)
転がり抵抗係数(RRC)等級低燃費タイヤ基準
RRC≦6.5AAA○低燃費タイヤ
6.6≦RRC≦7.7AA○低燃費タイヤ
7.8≦RRC≦9.0A○低燃費タイヤ
9.1≦RRC≦10.5B×該当しない
10.6≦RRC≦12.0C×該当しない

最も抵抗が少ないものをAAAとして、AAA~Cまでで表示します。転がり抵抗係数が9.0以下で「低燃費タイヤ」の対象。

ウェットグリップ性能(G)等級低燃費タイヤ基準
155≦Ga○低燃費タイヤ
140≦G≦154b○低燃費タイヤ
125≦G≦139c○低燃費タイヤ
110≦G≦124d○低燃費タイヤ

※最も性能が高いものをaとして、~dまでで表示します。ウェットグリップ性能が110以上で「低燃費タイヤ」の対象。

上記の等級で、転がり抵抗性能の等級がA以上且つ、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と定義しています。

転がり抵抗係数が9.0以下で、ウェットグリップ性能が110以上のタイヤが低燃費タイヤとなります。

転がり抵抗とは

転がり抵抗とは

走行時にタイヤに発生する抵抗の1つで、タイヤが転がるときに、妨げになる抵抗のこと。

転がり抵抗と燃費の関係

  • 転がり抵抗が低い…転がりやすくなり、燃費が良くなる
  • 転がり抵抗が高い…転がりにくくなり、燃費が悪くなる

転がり抵抗と空気圧の関係

  • 空気圧を低くする…転がり抵抗が高くなる
  • 空気圧を高くする…転がり抵抗が低くなる

※タイヤの空気圧を高くすると転がり抵抗は低くなり、燃費が良くなる可能性はありますが、グリップ性能が低くなることやタイヤの摩耗に影響を及ぼすことがある為、規定空気圧を維持することがタイヤにとって良い方法です。

ウェットグリップ性能とは

ウエットグリップ性能とは

路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ性能

ウェットグリップ性能が低いと、雨の日にタイヤが滑りやすくなったり、特に危険なのは、ハイドロプレーニング現象により、ハンドルやブレーキがきかなくなることもあります。

ハイドロプレーニング現象とは

タイヤの溝がなくなってくると排水性が悪くなります。

排水性が悪くなると、タイヤと路面との間の水を排水できなくなり、タイヤが路面に接地する事が出来ずに水の上を走ってしまいます。

この現象をハイドロプレーニング現象と言います。

ハイドロプレーニング現象のイメージ

ハイドロプレーニング現象には以下の原因が考えられます。

  • タイヤ不良
  • 路面の水量
  • スピードの出し過ぎ
タイヤ不良

タイヤのメンテナンスをしていないと、ハイドロプレーニング現象を起こしやすくなります。

タイヤのメンテナンス不良により考えられる原因は主に3つあります。

  1. タイヤの摩耗で溝が少ない
  2. 空気圧不足
  3. 回転方向指定タイヤの誤装着

1.タイヤの摩耗で溝が少ない

タイヤの溝は、地面とタイヤの間にある水を排水する役割があります。

溝が摩耗して少なくなれば、タイヤの排水力が下がり、排水しきれなくなることでハイドロプレーニング現象を起こしやすくなります。

タイヤの溝に、砂や石、雪などが詰まっている場合も排水性が下がりやすくなります。

2.空気圧不足

タイヤは溝があることで、路面とタイヤの接地圧が保たれていますが、タイヤが空気圧不足になると、タイヤが潰れ、路面との接地面積が大きくなり、接地圧が低下してしまいます。

路面との接地圧が低下すると、タイヤと路面との間の水を排水しきれなくなり、タイヤが水の上を滑ってしまう状態になります。

3.回転方向指定タイヤの誤装着
回転方向に指定のあるタイヤ(ローテーションタイヤ)

タイヤの中には、回転方向に指定があるトレッドパターンのタイヤ(ローテーションタイヤ)があります。そう言ったタイヤには、上記写真の様にタイヤ側面に「ROTATION」と方向を示す「→」記載されています。

回転方向指定タイヤは、回転方向を指定することで、その回転に対しては、グリップ力や排水性が高められていますので、回転方向の無いタイヤよりも高性能なことが多いです。

そのタイヤを誤って指定方向と逆に取り付けた場合、排水性が本来の性能よりも下がり、ハイドロプレーニング現象を起こしやすくなります。

路面の水量

水はけが悪い路面や雨が多く降った場合などで、路面の水の量が多いときにもタイヤの排水量が追い付かず、ハイドロプレーニング現象を起こしやすくなります。

路面の排水性能を高めた排水性舗装(透水性アスファルト舗装)などを採用し、ハイドロプレーニング現象の抑制を行っている道路などもあります。

スピードの出し過ぎ

高速走行をした場合、車には揚力(上に向かおうとする力)が発生します。

その場合、路面との接地圧が低下することで、タイヤの排水性が下がり、ハイドロプレーニング現象を起こします。

ハイドロプレーニング現象をが起きやすい速度

  • サマータイヤで80km/h
  • スタッドレスタイヤで60㎞/h

「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」は相反する

「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」は相反する関係にあります。

「転がり抵抗性能」が高いタイヤは、抵抗が少ない為、転がりやすくなり燃費の良いタイヤになりますが、「転がり抵抗性能」が高くなればなるほど、濡れた路面でのブレーキ制動力(止まる力)が悪くなり「ウェットグリップ性能」が悪化すると言えます。

これは、ただ低燃費の転がりやすいタイヤなだけでは、安全ではないことから、「低燃費タイヤ」の安全面を考慮するために「ウェットグリップ性能」が「ラベリング制度」の評価基準に取り入れられたと考えられます。

ラベリング制度

「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」はラベリングにより等級(グレード)が分かるようになっています。

ラベリング制度は(一社)日本自動車タイヤ協会による制度です。

低燃費タイヤ統一基準マーク

低燃費タイヤマーク

転がり抵抗性能の等級がA以上で、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と定義し、統一マーク(右記)を表記されています。

低燃費タイヤではないタイヤには、「低燃費タイヤ統一基準マーク」を表記することはできません。

低燃費タイヤの場合

  • 転がり抵抗…AA
  • ウェットグリップ性能…C

この表示のあるタイヤは、転がり抵抗性能が AAグレード、ウェットグリップ性能が cグレードである為、低燃費タイヤであることが分かります。

低燃費タイヤ統一マークがしっかりラベリングされています。

低燃費タイヤではないの場合

  • 転がり抵抗…B
  • ウェットグリップ性能…b

この表示のあるタイヤは、転がり抵抗性能が Bグレード、ウェットグリップ性能が bグレードであることを示します。

転がり抵抗が基準を満たしていない為、低燃費タイヤではありません。

その為、低燃費タイヤ統一マークのラベリングはされていません。

ラベリング制度の対象外

ラベリング制度は(一社)日本自動車タイヤ協会による制度です。

ラベリング制度には、

「※転がり抵抗係数が12.0以上、ウェットグリップ性能が110以下のタイヤは当該制度の対象外」

と記載されています。

これは、ラベリング制度の中には、「低燃費タイヤになるラベル」と「低燃費タイヤではないラベル」があり、どちらもラベリング制度内でのラベルに該当しますが、

「転がり抵抗係数が12.0以上、ウェットグリップ性能が110以下」のタイヤについては、ラベリング制度の対象にすらならないタイヤとされます。

低燃費タイヤになるラベル
低燃費タイヤではないラベル

例えば、

転がり抵抗係数が10.0(B)、ウェットグリップ性能150(b)

のタイヤは、「低燃費タイヤではない」けどラベリングはされますが、

転がり抵抗係数が13.0(-)、ウェットグリップ性能100(-)

の様なタイヤは、「低燃費タイヤではない」上にラベリングもされません。

まとめ

低燃費タイヤ(エコタイヤ)とは、JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が定めたグレーディングシステム(等級制度)で、低燃費性(転がり抵抗性能)だけでなく、安全性(ウエットグリップ性能)も一定以上の基準値を満たしているタイヤのことです。

低燃費タイヤであることを示す、ラベリングもされており、低燃費性(転がり抵抗性能)と安全性(ウエットグリップ性能)もわかります。

タイヤ選びのときには、価格だけでなく、燃費性能やタイヤ性能も考慮すれば、より自分に合うタイヤが選べると思います。

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